マッチングイベントで成果につなげる絶対条件

中小企業が成長を実現するには、市場が縮小している日本市場だけで頑張っていても先は見えてきません。しかし海外市場はよくわからず言葉も通じないし商習慣も違うためどうしても躊躇してしまいます。

過去日本企業に勢いがあった時代には、自ら海外市場に挑む企業戦士が世界中を駆け巡り、海外で製造会社や販売会社を設立して海外現地で市場を開発するとともに、コスト競争力ある製品を日本市場に逆輸入して日本市場で海外事業のメリットを取り込むべく頑張ってきました。

ところが海外市場に日本企業の強みを移転したきたことによって、海外各国での地場企業の成長発展につながり、グローバル企業との競争でどんどん日本企業の競争優位性を失ってきたのがここ10年のことです。

10年前までは日本企業は独自の市場優位性を発揮しようとするべく、多くの企業は自社で海外拠点を設立する投資が相次いでいました。私自身の海外展開支援事業も、公的機関の企業の海外展開支援も活発でした。しかし、本来日本企業の十八番であったものづくり競争力は、この10年ほどは外国資本の企業経営レベルが上がってきたことで見劣りするようになってきた結果、自社自身によるEND-TO-ENDの垂直展開の必要性が薄まりつつあります。

ものづくり競争力は既に中国が遥かに先を走っています。日本企業は技術的にも変化対応力という点でも、以前ローコスト生産拠点として自社展開していた東南アジアでも、もはや自社での垂直展開投資は時間的にもコスト的にもメリットが小さくなってきています。

日本企業にとって海外市場が成長発展の命綱という危機意識があります。しかし自社のものづくり技術力や変化対応力では太刀打ちできない現実に直面していることから、選択肢としては自社投資よりも海外企業とのサプライチェーン戦略の最適化や、流通戦略における企業間アライアンスの進化が必須となります。

その結果、日本企業の海外子会社設立支援のご相談は確実に減少しており、むしろ海外製造子会社を現地資本に売却して委託生産に切り替えたり、現地ローカル企業とのマッチングで、よりライトアセットで機動的に市場に対応していくためのアライアンス主体のご相談が増えています。

実際に公的機関の海外展開支援制度も、マッチングイベントの実施や海外展示会の共同ブース出展支援などに変化しているように感じます。しかし、果たしてそれらの支援制度が本当に効果を生んでいるのか疑問に感じるのです。

なぜマッチングイベントや展示会出展支援の効果が薄いのか

公的機関によるマッチング支援や展示会出展支援が効果的な成果を上げていると感じる企業経営者はどれだけおられるでしょうか。だいたいこういうイベントでの効果測定として公的機関のKPIとしては、名刺を何枚獲得したか、企業出展ブースでいくらの商談金額を行ったのかといった参加企業への事後アンケートが主体です。本当に効果がある支援制度なのか、企業経営者の生の声を真剣に生かし切れていないのではないかと思うのです。

支援機関としての肌感覚でいえば、公的機関のマッチングイベントや展示会出展支援事業は、今や実施すること自体が目的化しているのではないかという印象です。事業マッチングや展示会での成約につなげるには、イベントや展示会の場の提供だけでは有効とはいえません。参加企業は自社の商品やサービスを買ってくれる顧客との出会いを求めているのが一般的ですが、一方で顧客側は自社の商品やサービスの付加価値やコスト、対応力向上のメリットを実現できる調達パートナーや自社製品の販売チャネルを求めているため、単なる「売ります」「買います」というスタンスで製品紹介を一方通行で紹介するようなマッチングや展示会での説明では、なかなか取引関係の構築まで届かないのが実態です。

ではどうすれば最も支援効果の高いマッチングや展示会が期待できるのでしょうか。

売買企業双方にとってのSWOTを公平な立場から理解できるコンサルタントの確保

自社の経営者や技術者、営業担当者は、どうしても自社の製品を通してしか商品価値を理解できません。どうしても買う立場からどのようなメリットがあるのかを考えるのが不得意です。またマッチングの相手側にとっても、こちら側の強みやどう補完関係が成立するかという観点も弱く、価格と納期だけでメリットを検討してしまいがちです。

双方が相手側の強み、弱みと市場機会や脅威を含めて理解し、双方の事業価値が向上するWINWINの接点がどこかという冷静な分析が重要です。そのためには、中立的立場から買い手、売り手のSWOTの深掘りを行い、「価値のWINWINマッチング」を見つけ出せるコンサルタントを伴走支援アドバイザーとして確保できるのかどうかがカギを握るといっても過言ではありません。

公的機関としても、マッチングイベントや展示会出展の実施支援だけでは効果がないと自覚すべきです。参加企業のSWOTを事前に十分支援アドバイザーを含めて検討し、どのような相手をマッチングしたいのかを絞り込んだ上で、あらかじめ経営資源の補完関係が成り立つ候補企業と商談を行い、相手先にとっていかに参加企業の価値が有益を訴求できる事前準備なくしては意味がありません。名刺の数や商談金額じゃないんです。

しかもイベント当日だけでなく、売り側、買い手側双方に対して、継続的な提携価値のキャッチボールができるように仲立ちを伴走支援アドバイザーにさせるような仕掛けが欠かせないのですが、そこに気づいていないのが大変残念です。

海外展開による成長戦略を実現したい企業にとって、マッチングイベントや海外展示会出展を通じて何とか商談をまとめていくには、海外展開伴走支援アドバイザーの存在は不可欠であると思うのです。提携できる分野が限られて売上拡大の効果が薄いとしても、お互いの強みと掛け合わせ、弱みを相互補完できることが、新たな市場への挑戦につながる可能性は大きいのです。

ただ自社の人的支援ではなかなかわからないものなので、是非中立的立場から海外との連携戦略をサポートできる伴走支援アドバイザーに相談いただければと思っています。

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