海外事業コンプライアンス体制構築の重要性

海外リスクマネジメントというとまずは「カントリーリスク」や「為替の変動リスク」、「人件費の高騰リスク」のような想定外の外部環境の変化を思い浮かべる経営者が多いです。

しかし、海外事業リスクは外部環境の変化への備えというよりも、実は社内の「ヒト」に起因する不祥事であったりコンプライアンス違反といった内部環境の問題に着目し体制づくりに取り組む必要があります。ここを甘く見ると巨額の損失を被るだけでなく、経営が成り立たなくなる危険性があります。問題はそれだけに留まらず、海外子会社のコンプライアンス違反が本社や本社社長自身が刑事責任を負うリスクを直視しなければなりません。

実際、ベトナムで子会社が賄賂事件に巻き込まれた結果、本社の会長、社長の首が飛んだ事例はたくさんあるのです。

今後企業が生き残りをかけて成長発展していくには、少子化の加速による国内市場の縮小、労働力不足が深刻化する中で、30年以上成長していない日本だけで事業は成り立たなくなっている現実を直視しなければなりません。

一方、どんなに素晴らしい有望なビジネスチャンスをつかむべく海外に安易に展開していくのは甚だ危険です。大損したり法律違反のリスクに対しどう事前に体制を構築していくか、特にコンプライアンス体制の重要性についてシリーズで発信していきます。

リスク① 目に見えるリスクと水面下の致命的リスク

まず第一回目として海外事業の「不都合な真実」について述べたいたと思います。国内事業しか経験がない企業経営者にとって、リスクマネジメント体制を検討する際には、ほぼ頭の中で考えられる日本の常識から「見えるリスク対応」から考え始めます。

当然言葉の壁や商習慣の違い、現地の法規制などは一応調べて事前対応は可能です。しかしそれらのほとんどが日本人の感覚からの判断です。ところがです、実際海外で直面する想定外の問題の大半は事前に予測ができないことが多いものです。商習慣上の問題や人材の不祥事などは日常茶飯事に起きるといっても決して過言ではありません。当然、事前に対応が可能な「目に見えるリスク」もあれば、普段は「目に見えないリスク」は突然経営そのものを揺さぶる企業存続にもかかわる致命的リスク問題に直結するのですが、その原因のほとんどが「人材・マネジメントリスク」にあるのです。

中でも海外で一番悩ましい問題であり「目に見えないリスク」の典型的事象である発展途上国での「賄賂問題」について次回事例を挙げながら、賄賂防止コンプライアンスについて述べてみたいと思います。

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