電話営業は信じてはいけない

コンサルタント事業を創業してこの4月で早くも11年になります。この事業の難しさは、顧客の課題解決にお役に立てることがジネスモデルの根幹ですので、顧客企業は課題を解決してどんどん「卒業」されていきます。即ち新たに課題解決を求めておられる顧客企業からご依頼を見つけていかないと事業として成り立ちません。

一方、どこのコンサルタントも事業経営での課題は営業力にあります。課題に対する分析力や解決提案力、そして顧客とのコミュニケーション能力は高いところが多いのですが、営業力が弱みであるというのが一般的ではないかと思います。

そこで新規顧客を開発していかないコンサルタントのニーズを捉えて、営業代行業であったりウェブライティングやSEO対策事業サービス事業者というところが、公開されている認定経営革新等支援機関のリストから電話営業を頻繁にかけてきます。

だいたい知らない電話番号からいきなりかかってくるのは、ほとんどが携帯電話契約や事務機器リース、ホームページ制作などの事業者、人材紹介事業者からの委託を受けたテレアポ営業代行業者からです。通常は応答せずに番号検索した上で必要に応じてコールバックするようにしています。直接ご相談されたい企業関係者からの電話をいただいた可能性があるので、できることなら全ての電話に応答したいのですが、本当に相談されたい方はメールもしくはウェブからお問い合わせがあると思いますのでそうしています。

先日、たまたま電話を受けたときのことです。企業名も相手の方の名前も覚えていませんが、次のような感じでいかにも企業からの問い合わせのような感じで話し始めてきました。

「御社のホームページを拝見しました。企業の海外展開を支援するコンサルタントで、実際に海外現地まで伴走支援をしてくれるようなところと推察しました。実際、私が取引されている事業者様の多くで、海外展開を伴走支援してくれるところが見つからないとお悩みを抱えておられます。是非ご支援いただきたいと思い、電話をさせていただきました。」

よく当方の事業についてホームページの情報等からよく事前に勉強されている様子がうかがえ、ピンポイントでこちらが提供する顧客価値を踏まえて、企業との橋渡しを行うマッチング事業者かなという印象を受けました。

しかし、マッチング事業をどのような形で行っておられるのか、その事業サイトのURLを教えてほしいと言ってもなかなかはっきりした回答がないのです。そこでそういった伴走支援を求めている企業を紹介するビジネスでのご相談なら手数料などの体系を資料で明示してほしいというと、「電話では説明しきれないので、前向きに検討してもらえるなら是非一度直接お会いして説明したい」と繰り返したのです。

どうもこの事業者はマッチング事業者ではないと感じたので、海外展開を求める企業を紹介してどういうサービス提供をしたいのかを聞くと、顧客開発のためのWEBマーケティングのSEO対策事業者であるということがわかり、月63,000円で2年間のウェブコンサルティングで営業支援ができるので直接会って説明したいという本音が出てきたのです。

あまりにも費用対効果のロジックが無茶苦茶なので、サービスの具体的内容を書面で紹介せずに、電話セールスから直接アポイントに持ち込むのは典型的な詐欺師の手口であるとまで言い切ってやりました。さすがに相手は無理と感じたようで、私もこれ以上からかって対応するのも時間の無駄なので、適当に会話を打ち切りました。

このように電話営業の手口は、とにかくどこからか入手したコンタクト先に電話をかけまくっていて、少しでも会話に引き込んで、何とか訪問アポを取りたいというものです。通常は商品知識も十分でなく相手先も調べていないので、最初の「忙しいから」の一言の即切りで十分ですが、今回のように相手側を研究してテレアポ営業してくるケースもあるので要注意です。

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