ミャクミャクの違和感

人にはどうしようもない感情というものがあります。口には出して言えないことであっても、違和感というか悪寒というものがどうしても拭えないものがあるものです。昨今のいわゆるポリコレの風潮は、人にいわれもない差別主義者といったレッテルを貼ってしまい、社会的に抹殺してしまうような恐ろしさを感じることがあります。

これはポリコレの範疇には入らないと思うのですが、関西万博のキャラクターである「ミャクミャク」はいわゆる気持ち悪さしか感じないのです。

数年前にこのキャラクターが決まったという報道を目にしたときの第一印象は、「なんじゃこれ?」でした。キャラクターはこういった大型イベントのコンセプトを一体的に体感するものであり、このキャラクターからワクワク感や期待感が感じられるものでないといけないのは、企業やイベントのマーケティングにおいても一般的な感覚です。

なぜ開幕直前になっても、ここまで関西万博が盛り上がらないのでしょうか?関西経済界がなりふり構わず必死になってもチケット販売がなぜ不調なのでしょうか?

「いのち輝く未来社会のデザイン」というスローガン自体は悪くはないでしょう。ただ、具体的中身が開幕1か月を切ってガイドブックがようやく発刊されても、中身がまだよくわかりません。この一年の広告宣伝を見ても、「くるぞ、万博!」とか「想像以上!が、万博だ」・・・てか? こんな発信だから多くの人が行きたいとは思わないでしょう。

そもそも「ミャクミャク」を選んだことが盛り上がらない大きな原因の一つだと気づいていません、いや、薄々わかっていたはずです。選考過程についてはHPに動画付きで記載されており、「赤色と青色が動脈と静脈を連想され、万博のテーマである、人類文明のつながりや、国際的なつながりを脈という言葉で表せられる」というのが理由だそうです。

専門家らしき人がぐだぐだミャクミャクの意義を述べていましたが、私には単なる驕り高ぶりしか感じませんでした。一言でいえば、「ミャクミャク」は可愛くない、「ミャクミャク」はカッコよくない、「ミャクミャク」はきもい、に尽きます。審査員にマーケティングの専門家はいたのでしょうか。「ミャクミャク」を見て面白そうと感じる人はどれだけいるでしょうか。

今日、ある展示会でインテックス大阪に行く機会があり、その帰りにATCに立ち寄ったところ、関西万博グッズを売っている店がありました。そこには「ミャクミャク」をデザインしたたくさんのお土産や様々なグッズが陳列されていました。

もちろんほとんどの客は素通りです。「気持ち悪い」の感情を抑えることができませんでした。関西では「さぶいぼ」ができる感覚です。あと開幕まで一か月を切り、来場者は会場でこれら「ミャクミャク」グッズを買って帰ろうと思うでしょうか?このような物をお土産にもらって嬉しいと感じる人はどれだけいるのでしょうか?

なぜ「くまモン」があれほど愛され続けているのか、なぜ「ちいかわ」グッズを求める人が列をなすのか、なぜハローキティとコラボした新幹線に外国人観光客が乗りたがっているのか、万博協会は本当に理解しているのでしょうか?基本的に顧客が「ミャクミャク」を見てどう感じるかについて考えていたのかどうか甚だ疑問です。電車をラッピングしたり、それこそ莫大な広告宣伝費をかけています。それでも盛り上がらない根本原因がわかっていないように感じます。

関西に住む者として、関西万博には何とか成功してほしいとは思っていますし、できれば早めの4月と5月に2回は行こうと考えていますが、この「ミャクミャク」の嫌悪感だけはどうしようもないのです。グッズはタダでもいらないです。

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