子どもたちに誇れる仕事を

企業はそれぞれ企業理念を掲げて社会メッセージを発信しています。地球環境への貢献であったり、社会発展のために新たな価値を創造するといった観点からの理念が多いと思います。
昨今、人々の価値観や経営のあり方が、いかにして儲けていくかといったコスパとかタイパとか、不労所得といった楽して儲ける観点からKPIを企業経営のあるべき姿と勘違いしている風潮を感じています。
しかし私が最も共感を覚えるのが、「いかに次の世代に人と価値を残し繋いでいくか」それこそ企業が存在している使命だというメッセージです。皆さんの企業はいったい何のために存在しているのでしょうか。皆さん自身は何のために今の世に生かされているのでしょうか。果たしてお金持ちになることが目標なのでしょうか。
企業も私たち自身も、一人の力で誰の助けも借りずにこの世に生まれてきたわけではありません。先達が苦労に苦労を重ねて後世のために残してくれた価値と、今の私たちを生み育ててくれたずっとご先祖様がいたからこそなのです。自分さえ良ければ、自分さえ楽しければそれでいいという先祖ばかりであったら、決して私たちは今この世には存在していません。
この有難さを痛切に感じる人であれば、今の私たちは後世の子どもたちに果たして誇れる生き方、仕事をしているのであろうか、これこそが企業も個人も次の世代を生み育て「次世代につなぐ」ことの使命を感じざるを得ないのです。
清水建設の子どもたちに誇れる仕事に感銘
建設会社には大手ゼネコンから中小、下請けまで様々な企業があります。自動車産業も素晴らしいですが、日本が誇る建設業もモノづくりの基盤産業です。その代表的なゼネコンの一社として誰もが知っている清水建設が発信するコマーシャルをご覧になられたことがおありかと思います。
清水建設のコーポレートスローガンは、「子どもたちに誇れる仕事を。」です。建築、土木、不動産開発、エネルギー開発など様々な事業を手掛ける中で、トップメッセージの最初に出てくるワードです。ビジョンそのものは「スマートイノベーションカンパニーを目指した革新と挑戦」と掲げておられますが、その前提として、「子どもたちに誇れる仕事」というコーポレートメッセージは何と素晴らしいことかと思うのです。
<コーポレートメッセージ>
企業が社会の一員として、その責任を果たすこと、さらには積極的に社会に貢献することが強く求められる時代となりました。企業の経済的価値ばかりでなく、理念や品格が問われていると言ってもよいでしょう。
企業は社会に向けて、しっかりと自らの姿を示すことが必要です。社会に認められる努力を惜しまず、社会が求め、必要とする存在となることを目指さなくてはなりません。
そこで「清水建設」を広く社会に認知していただき、また「シミズらしさ」を一般の方々にも正しく理解していただこうという強い想いで、コーポレートメッセージを作りました。
子どもたちの未来をみつめる表情に反省させられる
コマーシャルフィルムでは子どもたちが建設現場を見学したり、実際に建物をつくったりするシーンがあります。その子どもたちの輝く目。また一方では建設に興味深々の子どもを見て現場監督が親切に対応するシーンがあり、そして時が流れ、その子どもが今や建設現場で活躍する夢を実現する。
すべての時間がつながっていく、そこに清水建設のメッセージがあるように思われるのです。

