Webマーケティング講座で自覚した究極のワンオペ

先週の6日と7日の二日間、中小企業大学校関西校で「Webマーケティング講座」を受講してきました。受講した理由は、自社のウェブサイトを更新する機会に、Webでどう価値を伝えていくか、企業支援のあり方についても基本から組み立て直すことができればと思ったからです。
様々な企業から合計8名が参加した少人数の研修でしたが、内容としては非常に充実したものでした。今まで気づかなかったことが多く、よく理解できていなかったWebの世界の構造を深く知ることができました。
私自身、自力でワードプレスを一から勉強し直し、ホームページをデザインし、メールドメインも変更してレンタルサーバーを契約するのに必死でした。今回の研修で気づかされたのは、作ったホームページでは集客はほとんど期待できないだろうという点でした。
究極のワンオペレーションでできること
私の事業は企業支援を伴走することによるお役立ちに存在価値がある一人会社です。売上もそう大きくはなく、コストもほとんどかけていません。他のコンサルタント会社のように広告宣伝に多額の費用をかけ、高価格で集客するような体制もノウハウもない事業です。しかし、一人だからこそ提供できる価値があるはずと考えています。
講義の中で改めて気づかされたことがあります。どんなに立派なホームページを作って商品紹介して集客しようとしても、実際に問い合わせがあるのは0.1%しかないという現実です。つまりホームページだけでは売上は増えないということです。当面月に新規訪問者数3000人を目指すコンテンツにするための記事を発信することの重要性を自覚したのですが、それでも新規にウェブで問い合わせがあるのが3人程度しかいないのです。
一方、訪問者の70~80%が検索エンジン経由であることから、実際に新規受注につなげるには、ホームページとSNSをリンクさせて誘導するだけでなく、検索エンジンでサーチしてもらうためのキーワードの組み込みや、広告宣伝を嚙み合わせてようやく1%程度の問い合わせにつながるとのことでした。
さらに広告宣伝にどれくらい費用をかければ良いかという点については、昨今では洪水のようにWEB情報が氾濫している中で、費用対効果がどんどん落ちてきており、実際には月に90万以上を広告宣伝にかけないとほとんど効果はないものと考えた方が良いという話を聞いて、一人会社のワンオペレーションでは集客活動に中途半端な広告宣伝は意味がないと気づかされました。
事実、売上でも月90万なんてレベルには程遠く、そのような事業構造で90万の広告宣伝にかけられるわけがありません。広告からホームページに新規顧客を誘導するというのは無理なレベルと考えました。しかしホームページが無駄というわけでなく、ブログ記事からランディングする来訪者をどう確保していくか、そのために動画を含めてSNSをどう活用して情報発信を行うかに尽きると思いました。
私が経営している一人コンサルタント会社は、「究極のワンオペレーション」です。会社経営のあらゆることを一人でこなさなければなりません。営業もします、研修講師もします、資料を一人で作成します、帳簿づけもします、もちろん企業訪問でコンサルティング業務もします、国内・海外に出張もします。そして、一人でウェブサイトをデザインし、情報発信も行います。チラシも自分でデザインして低コストで必要最小限の販促活動に留まっています。
人を雇い事業を拡大することも可能だとは思います。しかし、伴走支援は人に任せてはお客様と一緒に走っていることにはならないという信念があります。どうしても一人でできる範囲での事業にこだわっているのが、売上増につながらない要因であるのは十分に理解しています。補助金支援でも研修でも受注を拡大して、専門家にアウトソーシングつまり支援業務を下請けで行う体制を作れば事業は拡大するはずですが、それが本当にお客様にとってのお役立ちなのか、自分自身の能力やノウハウを注ぎ込み、お客様のために一緒に走り、一緒に悩み考え、提案していくこと以外には存在価値はないと考えています。だからこそ持って生まれた器用貧乏な性格が災いしているのかも知れません。
究極のワンオペレーションは確かに身体的に疲れます。長期の休暇もほとんど取っていませんし、土日も何かしら会社業務に時間を費やしています。でも、精神的には周囲に気を遣うこともあまりないので、自分のペースで器用貧乏をエンジョイできているのかも知れませんね。