なぜ今、企業こそが次世代教育の先頭に立つべきか

少子化が加速する日本では、外国人政策のあるべき姿についての議論が高まっています。おそらく今度の衆議院解散、総選挙でも外国人問題は大きな影響を与えるものと想定されます。
外国人留学生を優遇するよりももっと日本人教育にもっと力を入れるべきだ、奨学金でも日本人は多額の返済を負って社会人になるのに、留学生には返済不要の奨学金を支給する制度はいったい誰が決めたのかなど、教育行政に対する厳しい批判の声があります。
一方、子育て支援を充実させるのだと児童給付の増額であったり、高校教育の無償化など子育て支援の支援が手厚くなってきてはいます。ところがここで一番欠けている視点があります。子どもたちは未来の社会を支える国の基盤そのものです。国として教育にもっと投資するのは当然のことですが、ややもすればその責任者は政府であり、学校教育に携わっている人に任せっきりにはしていないでしょうか。
家庭教育と社会教育の視点が極めて脆弱なのです。
子どもたちの教育をあまりにも学校任せではないでしょうか。子どもたちは国の宝だ、だから社会全体で子どもたちを守り育てていかなければならないというのは正論です。ところが、個人の権利ばかりをあまりにも強調する風潮が高まり、本来基本的なしつけやケジメは親が責任を持って教育するべきところを学校に丸投げし、モンスター化した親が増えてしまっているのが現状ではないでしょうか。
では親の質が低下するというのは、つまり国全体の民度が下がるということに直結します。某国観光客のマナー問題で世界中から嫌われていることなども、社会全体の教育問題と切り離して考えることができません。
企業が国・社会・親が教育投資して育てた人材の能力の恩恵を享受している
企業自身は人材を雇用し、その人材の能力に給料という対価を払って事業に活用しています。しかし企業自身は人材を教育して育てたわけではありません。ここで申し上げたいのは経済界、産業界全体に共通する教育投資に対する反省すべき点です。
当然、一旦採用した人材は社員として教育します。しかし社会人になるまで、また転職者を採用する人ならばなおさら、それまでにその社員を教育してきた投資は、国であり社会であり前職の会社であり、もちろんその社員の親です。つまり採用している人材はアウトプットする成果を享受しているに過ぎません。その社員を教育訓練し、もちろんパフォーマンスが上がるようにしていくために研修を受けさせたり、いろんな仕事を経験させたりして、会社として投資します。
つまり会社自身も人を雇用している限りは、その人材の能力を高めていくことで、将来退職することになっても社会に貢献する人材に育てる義務がある社会の公器です。したがって、会社が社会全体の発展に寄与することが存在価値そのものであることを考えますと、企業自身も社員教育だけでなく、子どもたちの教育にももっと支援貢献するべきだと思うのです。
未来の付加価値を生むのはSTEAM教育が本質
企業の多くは、製造業に限らずイノベーションによって新たな付加価値を生み社会全体の発展につなげています。技術やノウハウのイノベーションによる競争優位をどう確保するかということが企業の持続可能性の鍵を握るといっても過言ではありません。
一般的に理数系の技術人材確保に多くの企業にとっては悩みです。理数系人材はいわゆるSTEM人材と言われてきました。S:Science、T:Technology、E:Engineering、M:Mathematicsのスキルが技術革新には必須です。ところが単に技術や機能面で革新的な製品を開発しても売れなくなってきました。
最近はSTEMにARTといったデザイン思考でソリューションを導ける人材の育成が重視されるようになり、いわゆる知識習得型の教育ではSTEAM人材の輩出は厳しいと言われ、どうも学校や家庭では大変難しい課題に直面しているのです。
そこで必要なのは、子どもたち特に幼児期からの科学体験であり、小さい時から感性や探求心を育てる環境や、なぜといった疑問、不思議体験がART素養を育んだ理系人材を育てるということが証明されるようになりました。
しかし学校教育では非常に難しいのです。そもそも幼稚園の先生や小学校の先生には理数系の教育課程を修了した人が少なく、教室で理科実験ができる先生はあまりいません。教えられる人が少ないのですから、学校のカリキュラムに予算をかけるインセンティブも起きないという状況です。
こういった現実を考えた場合、技術人材の恩恵を最も受けている企業自身がもっと子どもたちのSTEAM人材のプログラムに貢献してほしいのです。具体的な取組みはいろいろあるように思うのです。
本来なら会社の技術人材を学校や教育機関に派遣して、実験寄付教室を自ら開催することです。私自身も前職でリスーピア(理科と数学のユートピア)といった教育貢献施設をベトナムで運営を行った経験があり、その時の子どもたちの輝く瞳が今でも忘れません。そのときの子どもたちの何人かはベトナムの企業でエンジニアとして働いているというのを聞いて、企業が果たすべき教育の役割について改めて感じたものです。
そのような施設がないという企業も多いとは思いますが、そういった企業はロボコンや科学オリンピックのようなイベントに協力したり、スポンサーになることも可能ですし、地域の学校と連携して、子どもたちだけでなく学校の先生方に理科実験の用具を寄付したり、実験での教え方を応援したりするなども考えられます。
私も貢献意欲のある企業を応援し、様々なイベント開催を通じて企業の社会貢献ブランディングに貢献する活動もプロモーターとしてご相談に応じております。



